リモートセンシング分科会

昨年(2009)末に有志8名が集まり,「J-BONリモートセンシング分科会」の今後の活動について,議論の場を持ちました.この分科会は昨年5月に東大で行われた第1回J-BONワークショップで組織されました.

生物多様性に対するリモセンによるアプローチは,未成熟な分野だと考えます.そのような中,どのようなアプローチがリモセン研究には期待されるのか,また実行可能なのか,検討いたしました. 今後も検討を続け,リモセン研究のあるべき姿について素案としてJ-BONおよび関連機関(JAXA,産総研,国立環境研,国土地理院など)へ提言することを当面の目標といたします.相応であれば, ABO(Asia Biodiversity Outlook)へのcontributionも行うことができればと考えます.

以下に要点をまとめ,みなさまに報告いたします.以下の内容はあくまでもたたき台ですので,みなさまからのご意見と議論への積極的なご参加をお待ちしています. (連絡窓口: 石井励一郎(JAMSTEC))

日時: 2009年12月30日午後

場所:海洋研究開発機構(JAMSTEC)横浜研究所

参加者:石井励一郎(JAMSTEC),小熊宏之(国環研),鈴木力英(JAMSTEC),永井信(JAMSTEC),奈佐原顕郎(筑波大),野田響(岐阜大),村岡裕由(岐阜大),本岡毅(筑波大)(五十音順)

■ リモセンによる生物多様性研究の可能性の検討 生物多様性に関する量の地理的広がりのスケールアップ(マッピング),時間的変化の抽出を行う.

  • 生態系レベルへアプローチする研究(比較的簡単,あるいはすでに行われている).
    • 具体例:森林伐採や森林火災による土地被覆・利用変化の検出. 生物多様性に関するプロキシーのマッピング(植生フェノロジー, 地上部バイオマス,土地被覆分類)
  • 個体群/個体レベルへ踏み込んだ研究.
    • 具体例: 写真RGB分析に基づく植生種の把握とリモセンへの関連付け.多種類センサーのデータに基づく個体群分布のマッピング.
  • 遺伝子レベル
    • 生息適地をとらえることによる遺伝子レベルの多様性の研究.

■ リモセンに対する地上真値の必要性の検討

  • 地上観測の強化,たとえば
    • 同一地域に対して「典型」以外を含む100か所を超す地点の展開.
    • 定点写真による写真情報のネットワーク化.
    • リモセンに対応した地上観測の奨励/教育活動の促進.
  • 既存観測ネットワーク(iLTER,JaLTERやJapanFLUXなど)やJAXAとの連携の強化.
  • 過去の観測データ(写真も含む)のレスキュー.
  • 公官庁の持つ情報の収集.
  • 観測データの交流を促進するための人的ネットワークの強化, および場(例えば,Google Earth)の提供.
  • GBIFを想定したデータベース(例: 生育適地,生物種などをマッピング)の構築を目指す.

■ 分科会としての今後の方針

  • GEO BON Concept Document†を土台とした行動計画を作る. 研究計画(現在,および今後5~10年)をロードマップと共に挙げていく.
  • この分科会をJ-BON親組織のGEO-BONにおける「WG-7: In-situ / remote-sensing integration: integration and modelling across scales」に呼応させていく.
  • J-BONリモセン分科会は,今後その存在をアピールし,人的に拡大して行く計画(関連集会でイベントを行う).
  • J-BON MLを通じて得られるご意見を集約し,計画を修正する.

石井励一郎,小熊宏之,鈴木力英,永井信,奈佐原顕郎,野田響,村岡裕由,本岡毅 (五十音順)